アミノ酸の結晶『乾燥牡蠣』

最終更新: 2020年8月18日

蠔干(ホウシ) ≠ 干し牡蠣 ≠ 乾燥牡蠣 これらは全て乾燥させた牡蠣を指している。しかし食材となるとその意味は全く違ったものとなり、国によって扱われ方も変わる。日本においては”珍味”といったところだろうか。


中国ではメジャーな食材 中国では一般的に乾燥品に加工されて蠔干(ホウシ:牡蛎干)として市場に流通しており、剥き身を煮込んだ後に天日乾燥して製造する。またその煮汁は濃縮してオイスターソースとなる。

”蠔”はめでたいという意味の”好”(hao)の発音と同じ。これは福建省の発音で、日本読みではゴウ、北京語ではホウ。干しはカンなので蠔干はホウカンと読むが、広東語ならホウシと発音し中国各地域で異なる発音となる。


香港の正月料理で、髪菜(ファッチョイ:髪の毛のように細いもずくのような中国食材)と蠔豉(ホウシー:干し牡蠣)を使った髪菜蠔豉(ファッチョイホウシー)という煮込み料理があるが、これは發財好市(ファッチョイホウシー:商売繁盛)の発音と似ていることから縁起の良い料理とされている。


乾燥牡蠣とは?


日本でもホウシのような一夜干しに近い製品や、70℃近く12時間前後乾燥させた”干し牡蠣”という製品を目にすることが増えてきたが、牡蠣活動家がお薦めするのはアミノ酸を閉じ込めた「乾燥牡蠣」という独自のカテゴリー。


独自技法によりアミノ酸を最大化させながら水分を8%まで下げることで、表面には白い結晶状のものが浮き出る程に旨味を凝縮する技術を見つけた。



なぜ干すのか?


旨味とはイノシン酸とグルタミン酸などのアミノ酸を指し、これらを沢山含んだ状態で食べると美味しく感じる事になる。アミノ酸は酵素によって生成されるので、酵素の働きを活発にすればアミノ酸を沢山含んだ「美味しい状態」にすることが出来る。

これは酵素活性と言いpHと温度などに影響を受け、酵素は平均的に37度付近で最も活性が高くなるため一夜干しが美味しくなるという仕組み。



いろいろ試してみる

そこで牡蠣がどの条件でこれに近づくか、北海道の乾燥加工を得意とする食品メーカーの協力のもと多角的な見地からテストを行うことにした。


塩分濃度から始まりお湯や風の温度、時間的含有量の変異や乾燥機材の特性、産地や養殖方法の違いまで様々。テスト結果からまた違う切り口から何度もデータ蓄積を行う。

その結果、見た目でもはっきり違いが出るポイントをいくつか発見した。写真のように外見的にも全然違うのが解るだろうか。


こちらはもっとはっきりとわかる。


産地と養殖方法が異なる牡蠣を全く同じ手法で乾燥させてみた。

上の牡蠣は表面がベタつき、口に運ぶのも躊躇するくらい臭いものに。。


牡蠣は中腸線や外套膜付近に汚れを貯めやすく、洗浄や下処理では除去しきれない牡蠣自体に染みついた物質が原因と考えている。


下の牡蠣は磯の香りに変え香ばしく、表面もサラッ!パリッと乾燥している。




牡蠣活動家の性


ここまで来ると他に面白いデータが取れないか色々実験したくなるのが牡蠣活動家。

右列:岩牡蠣と真牡蠣を同条件で乾燥させてみる。

左上:部位的違いをなくすために貝柱だけ外して乾燥させてみる。

左下:全国から市販品を取寄せて官能テストしてみる。


わかったポイントは三つ


まずは北海道の安全な海域で育てたきれいな牡蠣に限るということ。

汚い水や殻の匂いは牡蠣の身に染みつき、それは処理工程でも牡蠣の旨味を打ち消すほどの影響を及ぼすことがわかった。




そして養殖方法。もちろん牡蠣は工程温度からしても生食用に限られ、殻の作り方や身の入れ方、畜養施設、海域とプールの検査比較や輸送温度管理などなど、牡蠣の旨味を最大化するためにやれることは尽きない。


正に乾燥牡蠣にも一個一個大切に育てるグレートオイスターが最適といえる。



そして最後が全行程の温度管理。温度と時間の関係により急激に変化を起こすポイントを見つけた。この温度に向けて丁寧に作業を行う必要がある。


温度管理は技術的なものだが、重要なのは使用する牡蠣を選ぶ事が絶対要素となる。



美食家へ捧ぐ『乾燥牡蠣』


食材として根付いた中国の「蠔干」(ホウシ)。国内でも珍味として地位を確立しつつある「干し牡蠣」。そしてアミノ酸の結晶と化した「乾燥牡蠣」。


同じ”牡蠣を干す”という食材でも文化や食べ方などにより着地点が違う。


牡蠣活動家が世に送るアミノ酸の塊は、大切に育てられた牡蠣や手間暇をかけた乾燥工程などで少し高価にはなるが、世界中の美食を知り究極を求める方へ是非お贈りしたい。


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